労働市場改革:正社員待遇を非正規社員水準へ 八代氏示す
 経済財政諮問会議の民間メンバーの八代尚宏・国際基督教大教授は18日、内閣府の労働市場改革などに関するシンポジウムで、正社員と非正規社員の格差是正のため正社員の待遇を非正規社員の水準に合わせる方向での検討も必要との認識を示した。
労働市場改革:正社員待遇を非正規社員水準へ 八代氏示す”政策:MSN毎日インタラクティブ

なーんてのは早とちりだと思いつつこの記事も意味がわからない。
この記事じゃ詳細がわからんわけだが。
資本主義を取り続ける限りある程度の格差が生じるのは当然の事で、表面的な収入だけを合わせるような政策では何の解決にもならないかと。

 八代氏は、低成長のうえ、国際競争にさらされた企業が総人件費を抑制している中、非正規社員の待遇を正社員に合わせるだけでは、「同一労働・同一賃金」の達成は困難と指摘。正規、非正規の待遇を双方からすり寄せることが必要との考えを示した。
 また、八代氏は現在の格差問題が規制緩和の結果生じた、との見方を否定し「既得権を持っている大企業の労働者が、(下請け企業の労働者や非正規社員など)弱者をだしにしている面がかなりある」と述べた。
 八代氏は、労働市場流動化のための制度改革「労働ビッグバン」を提唱しており、近く諮問会議の労働市場改革の専門調査会の会長に就任する予定。【尾村洋介】

きっとこの格差社会ってものの本質は企業の「新卒信仰」にこそあるんだと思う。
どこぞの大学が出してた「新卒で就職しないと負け組」みたいな話はある意味現実を見た意見で、新卒就職を逃すとその後の就職がものすごく不利になってしまうっていう現実をかえない事には現状の格差ってやつは変わっていかないんだろう。
ただ、企業からすれば大学なり高校なりを卒業して何年も定職に就かず、かといって何か訓練を受けたり資格取得のために勉強したりではなくただ遊んでいた人間を取る事はリスク以外の何物でもなく、それをお上の鶴の一声でなんとかせいってのも無茶な話な訳で。
要するにこのへんのアンバランスが問題なわけで、政策として手をつけるならこのへんを是正する方向に行かないとそれはそれはおかしな事になるんじゃなかろうかと。
例えば就職浪人中や資格取得のための勉強に費やした期間に図書館とか役所とかの行政施設内で過ごす事で「遊んでたわけじゃなくて勉強してましたよ」って証明書みたいなのを行政名で発行したりして企業のリスクの肩代わりをするような政策であったり、採用人数内の新卒以外の比率によって若干の優遇税制を施したり、そんな政策が求められてるんじゃねーかなと思ったりしなくもない。


どうも2ch界隈では「これで正社員のモチベーション下がりまくりで日本オワタ」みたいな意見が出てるんだけど、必ずしもそうではなく「正社員てだけで非正規社員よりも多くの給料もらってた人間の給料が下がる」だけで普通に責任を果たしてきていた正社員の給料っつーのは大して変わらんのじゃないかと。
なぜなら給料の額を決める主体は会社であって、この話にのっかって正社員の給料を削減する方向に舵を取れば優秀な人材ほど他社に流出することは目に見えるわけで、長期的な戦略からすればとても採用し得るわけがないんじゃないかと。まぁそれでも採用するような会社は「そういうところ」って事で早かれ遅かれ似たような結果になるんじゃね?っつー気がする。
まぁホワイトカラーエグゼンプションも同じで、これらはあくまでも指針であって会社がそれを採用するかどうかはそれこそ会社の指針によるんだろう。そうなれば、逆に社員にきちんと還元する会社とそうでない会社が外から見れるようになって働く立場からすればそれほど悪い話でもないんじゃねーかなっつーのが率直なとこ。
日本全部の会社がカルテル結んだらそうも言ってられないけど、それこそ能力の海外流出どころの騒ぎじゃなくなるわけでそんな政策を日本政府が取りうるはずもないと思うがね。


まぁ脊髄反射で喚き立てるのもほどほどにしたら?って話。