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履歴:
4/5:目次から分離
4/7:BI@Kさんの指摘を取り込み


一般救済手続

1.一般救済(第四十一条)に対する文化的事情に対する緩和措置の追加
追加「
第一項
六 被害者と加害者の文化的相違から発生する人権侵害である場合に加害者の擁護のため当該行為に関する説示、文化的相違に関する啓発その他の指導をすること。」

第二項修正
原案「人権委員会は、委員、事務局の職員又は人権擁護委員に、前項第一号から第四号までに規定する措置を講じさせることができる。」
修正案「人権委員会は、委員、事務局の職員又は人権擁護委員に、前項第一号から第四号および第六号に規定する措置を講じさせることができる。」

現案「第四十一条 人権委員会は、人権侵害による被害の救済又は予防を図るため必要があると認めるときは、次に掲げる措置を講ずることができる。」
修正案「第四十一条 人権委員会は、人権侵害による被害の救済又は予防を図るため必要があると認めるときは、次に掲げる措置を講ずることができる。
この場合においては、加害者等に損害ないしその恐れがあり、それらを防止するために当該加害者等が必要と認める措置を講じ、かつ、被害者等の責に任ずべき事由があるときその他のやむを得ない事由があるときは、当該事由に配慮しなければならない。」

個人的に店主側に同情を寄せる小樽の外国人お断り事件に関連する部分。
この辺の意見が非常に共感できるのでリンクを貼っておこう。
この件では温泉だったわけだけど、他にも文化的側面から差別であっても仕方なく行ってるものがあるだろうし、それを一方的に差別だから是正しなさいとするのは「文化を棄ててでも人権擁護」って感じがして納得いかないので追加。
(ひょっとしたら第四十二条だけでいいのかも)
4/7:
BI@Kさんの試案の解説より拝借して文言変更

文化的相違というのはそれこそ曖昧では(笑)

この修正案全体に言える事ですが、実はそれほど曖昧さというのは変更するつもりはありません。それは、この法で人権侵害(というか人権の名を冠したトラブル)をできるだけ広範に扱えるようにしたいと考えているためです。
その分、人権委員や委員会に公正性を保たせるような高めのハードルを設定しています。

ちなみに、小樽の件にしても文化的相違(この場合主として入浴マナー)に原因を帰するのであれば、入浴マナーを日本人と同じくする異人種の人々まで一律に入浴禁止としたあの事件は、やっぱり人権侵害でこの号の対象にはならないでしょう。(引用者注:後略)

うーん。確かにそうなんですが、商売人としての立場を考えると一々その人が「日本人と同じくする異人種」であるかは確認の術がないわけですので、安直ではありますが外国人全体を拒否したいという考え方は理解できるわけです。
そこで、双方に害のない形にするということで緩衝材として人権擁護委員を派遣し、文化的相違を解消する方向で「外国人に対して」文化的な啓発を行えばいいんじゃないかなというのがこの条文を入れた動機でして、ある事案が発生してからの措置よりも、それ以降発生しうる同様の事案を防止することを狙っているわけです。
ただ、本当にそれをしようとすると「文化的相違で人権侵害の発生しうる」公的機関や商業施設に、常勤の擁護委員を配置する必要がでてくるため、人的、資金的リソースから見て現実的では無いのかも知れないと思わないでもないですが。