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履歴:
4/5:目次から分離
4/8:BI@Kさんの指摘を受け改定


特別救済手続

1.マスコミ規制(第四十二条一項四号)の復活
「四 放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関又は報道機関の報道若しくはその取材の業務に従事する者(次項において「報道機関等」という。)がする次に掲げる人権侵害
イ 特定の者を次に掲げる者であるとして報道するに当たり、その者の私生活に関する事実をみだりに報道し、その者の名誉又は生活の平穏を著しく害すること。
   (1) 犯罪行為(刑罰法令に触れる行為をいう。以下この号において同じ。)により被害を受けた者
   (2) 犯罪行為を行った少年
   (3) 犯罪行為により被害を受けた者又は犯罪行為を行った者の配偶者、直系若しくは同居の親族又は兄弟姉妹
ロ 特定の者をイに掲げる者であるとして取材するに当たり、その者が取材を拒んでいるにもかかわらず、その者に対し、次のいずれかに該当する行為を継続的に又は反復して行い、その者の生活の平穏を著しく害すること。
   (1) つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所の付近において見張りをし、又はこれらの場所に押し掛けること。
   (2) 電話をかけ、又はファクシミリ装置を用いて送信すること

現状の政府案で凍結されたと言われているマスコミ条項を復活します。
第四十二条一項四号イはそれぞれ
(1) 犯罪被害者
(2) 少年犯罪の加害者
(3) (2)の親族
に対し、本人が拒否しているにも関わらず同号ロの行為
(1) 付きまといや住居、勤務先等への押しかけ
(2) 電話やFAXの送信
を禁止しています。
(心情的には(2)は削除してもいいと思いますが)これらを規制されることに反対する合理的な理由が分かりません。
(1)や(3)は一方的に犯罪行為を受けた被害者や、親族が犯罪加害者になったことで極めて強いストレス下に置かれていると思われます。それゆえに取材を拒否しているにも関わらず、報道の自由を傘に傷口に塩を塗りこむような行為が容認されるべきではありません。
これらは報道の名における人権侵害として充分に救済される理由がありますし、報道の自由をもって他者の人権を侵害して良いということにはならないとの理由からこれを復活させます。


2.報道機関の自主的措置の尊重(第四十四条ニ項)の変更
現案:「2 人権委員会は、前項第四号に規定する人権侵害について、調査を行い、又は同項に規定する措置を講ずるに当たっては、報道機関等の報道又は取材の自由その他の表現の自由の保障に十分に配慮するとともに、報道機関等による自主的な解決に向けた取組を尊重しなければならない。」
修正案:「2 人権委員会は、前項第四号に規定する人権侵害について、調査を行い、又は同項に規定する措置を講ずるに当たっては、報道機関等の報道又は取材の自由その他の表現の自由の保障に十分に配慮しなければならない。」

修正案1のような取材は、現在でも自主規制が行われているとされているが、このような行為はいまだに行われているという事実が一点。
さらには上記のような行為が行われていないのであれば、マスコミ条項が存在することに全く問題が無いはずで。
にも関わらずマスコミがこの条項に反対するということは、このような行為を行うと宣言しているに等しいということが一点。
このような現状を見てマスコミの「解決に向けた取り組み」がまともに作用すると考えることは難しく、これを尊重する理由はありません。
よって、「報道機関等による自主的な解決に向けた取組を尊重しなければならない。」という部分を削除します。
4/8 BI@Kさんより

第2項については、取組がなされていないなら尊重の対象もないわけですから、あっても実害はないと思うのですけれども。

うーん。
今のメディアの自主規制みたいなものみたいに(現実がどうかは不明ですが)有名無実な取り組みをもって適用が除外されたり、この規定が使われたときに取り消し訴訟なんかで無駄な時間が食われるのがどうかなぁと思うわけです。


3.特別調査の手続き(第四十四条第三項)に追記
現案「3 前項の規定により人権委員会の委員又は事務局の職員に立入検査をさせる場合においては、当該委員又は職員に身分を示す証明書を携帯させ、関係者に提示させなければならない。」
修正案「3 前項の規定により人権委員会の委員又は事務局の職員に立入検査をさせる場合においては、当該委員又は職員に身分を示す証明書、および立ち入り検査の嫌疑、内容の記された内閣総理大臣発行の特別調査命令書を携帯させ、関係者に提示させなければならない。」
4/8:BI@Kさんの試案を拝借
修正案「
3 人権委員会は、第1項の規定により立入検査を行おうとする場合(前項の規定により担当委員等に立入検査をさせようとする場合を含む。)においては、あらかじめ、次に掲げる事項を記載した書面を内閣総理大臣に提出して、その承認を受けなければならない。
 一 立入検査を必要と認める理由
 二 立ち入ろうとする場所
 三 立入検査により調査する内容
4 内閣総理大臣は、前項の承認をしたときは、前項の書面に記名捺印をして、その写しを人権委員会に交付しなければならない。
5 第2項の規定により担当委員等に立入検査をさせる場合においては、当該担当委員等に身分を示す証明書及び前項の写しを携帯させ、関係者に提示させなければならない。
6(現4) (略)」

これは、
1.当該調査が正当なものであると示すと共に、被疑者が許可、拒否するための判断材料を提供する。
2.調査を行う委員や事務局員が独断で当該案件に関係の無い調査を行うことを禁止する。
3.人権委員や事務局員が独断で特別調査を行うことを禁止する。
という狙いからです。
1.はエントリー興味深い反論の注釈部分に応ずるものです。
2.は調査の内容を明示しておかない場合、現場の判断だけで当該案件に関連が薄いと考えるものまで念のためと調査、押収することを禁ずる狙いから。
3.は人権委員や事務局員は身分証を既に保持していると考えられ、これを提示して恣意的にこの調査を詐称することができるための抑止案です。これを偽造すると公文書偽造に当たるため抑止効果は高いと思われます。
以上から特別調査を実行するに当たり、嫌疑内容や調査の内容(何を押収するか、何に立ち入るか)を記した命令書を携帯、提示しなければならない旨を追記します。
ただし、
・2にはある程度の裁量権を認めないと実効性が怪しくなる。
・内閣総理大臣発行はどうか
といった問題はあるかと思われますがまずはこの形で。
4/8 BI@Kさんの指摘を受け修正

「命令書」というと検査権限が内閣総理大臣にあるようになってしまうので、第1項・第2項の構造を維持する前提で、承認申請をしてその書面を携帯するという規定振りとしてみました。

確かにその通りですので、BI@Kさんの試案から文言を拝借して改定します。

霞が関住人としては非常に違和感のある規定です(笑)。他に山のように立入検査規定があるなかで、他省庁・委員会とは違って人権委員会だけが信頼できないとしてここまで厳格な手続を必要とする理由がよくわかりません。立入検査規定全てに同じような手当をしろというのであれば、その是非はともかく、理由はわかるのですけれども(百歩譲って人権擁護委員が立入検査をするのであればともかく、人権委員・事務局職員なんて、普通の大臣・お役人と何も変わりはしないのですが)。

不勉強にして他の立ち入り検査の事は知らなかったのですが、他の立ち入り検査も命令書(執行書?)みたいなものは持ち歩かないのですね。
どうも口頭でだけ伝えることがタブー視される業界にいるもので、こういう所に妙に敏感になっているのかもしれません(笑)
たしかに擁護委員も人権委員も公務員になりますので、民間とは事情が違うかとは思いますが・・・。
うーん。
何となく他の立ち入り調査もこういう風に、文面で伝えるような形にする方がいい気がします。


4/1追記:

4.不当な差別(第四十二条一項)のうち第二号に関する補足
追加「 二 次に掲げる不当な差別的言動等
(略)
ただし、被害者と加害者の文化的相違から発生する人権侵害であると認められる場合を除く。」

一般救済の修正と同様の理由から。

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