ようやくこの法案に反対しない(かといって諸手を上げて賛成しているわけでもない)サイトがぽつぽつ出てきてます。
(3/23追記)このエントリには誤解を生む表現が含まれています。
詳細はスタンスのシフトおよび後続のエントリを参照してください。
このエントリに対するRiR6氏(「人権擁護法案に関するまとめの手助け(暫定)」管理人)からの反論がトラックバックされています。(こちら
さらにそれに対するエントリはこちら

人権擁護法案に関するまとめの手助け(暫定)
小倉秀夫の「IT法のTopFront」

人権擁護法反対論批判 前編

人権擁護法反対論批判 後編上

人権擁護法反対論批判 後編下
(BI@K)
みなさん楽観的ですね( ´_ゝ`)


まとめの手助けより
あなたが既存の人権擁護法案反対まとめサイトを紹介するべきではない5つの理由

* 1.人権侵害の横行する現状を追認している。
* 2.「部落解放同盟」が裏で動いているということを殊更に主張し、それを反対の根拠とする
* 3.法案を単純化し、あたかもこの法案が廃案になればみんなが幸せになるように仮想している
* 4.言論の自由を消極的自由のみの観点から語り、その観点の弊害を言わない
* 5.まとめサイトを作る人たちの前歴
(番号は振りなおしています)

以下太字は抜粋。
1.これらのまとめサイトの主張は基本的に「今の状況が一番良いのだからそれを変えるべきではない」という認識のもとに成り立っています。
そんな主張は見たこと無いんですが。
見た限り反対派の主張は「現状に問題があるのはわかっているが、その対処法としてこれはいくらなんでもあんまりだ」かと。
2.上記のまとめサイトなどでは今人権擁護法案が上がってきたことは部落解放同盟が裏で動いているからだと主張し、そして部落解放同盟周辺に生じている問題を取り上げることによって部落解放同盟を批判して、「そのような団体が推進している法律は廃案にすべきだ!」と主張しています。
( ´_ゝ`)?
解同が動いているかいないかよりも、解同のような問題を起こしてきた団体に染められた人間が人権委員会に名を連ねることが可能なシステムのセキュリティホールを主張しているだけかと。
大体、「法案を作った人々は良くない人々=法案は良くない法案」という論理を唱える人々は、「じゃあ別の良い人々がこのような法案を作ったら、あなた方は賛成するのですか?」と聞かれたら、一体どうするのでしょう?
なら5の要するに、ヘイトスピーチ(=差別言説)の権化みたいな人なんですね。まぁ、それだから、自分のヘイトスピーチが規制されるのを恐れてこの法案に反対しているのでしょうが……つまり、この人のまとめサイトを紹介して法案に反対すると言う事は、「自分は差別容認の人物です」という宣言に等しいんですよね。そのような宣言をする気がない人は、絶対にこのまとめサイトを好意的に紹介するのは避けた方が良いと思います。は全く説得力が無くなるわけですが。( ´_ゝ`)
3.上記のまとめサイトなどには難しすぎてよく分からない、要はどういうこと?という風に「考えなくても分かる」という印象を与える表現や、人権擁護委員やこの法案を作ってる人たちに負のイメージを持つ画像を被せて、あたかも彼らを完全な「悪」とみなし、自分たちを正義の味方である様にしている表現などが多々あります。
いや。そもそもそういう表現ができてしまう事をセキュリティホールと呼ぶわけですが。
(3/23 追記:全く意味が通っておらず反論になっていないため、全面的に撤回します。)
4.上記のまとめサイトにおいては、「言論の自由」は「言論を言いたい者がそれを制限されることがない」という意味でのみ捉えられています。つまり、自分が何か言おうとしたときに、無理矢理刑務所に入れたりしてその言論が発表できない様にするとか、そういうことのみを「言論の自由」の侵害として、捉えている訳です。
しかし確かにそれも「言論の自由」の侵害の一部ではある訳ですが、それが全てではない。何故なら、その様な形での「言論の自由」の理解には、「人間は他の存在によって影響される」という観点が無いからです。

自由には須らくリスクが伴うわけで、そういう意味では自由という言葉の中に「人間は他の存在によって影響される」と捕らえることもできるっつーとややこしくなるから割愛。
5.感情論にしかなってないし語るほどのものもなし。
結論→ ( ´_ゝ`)
反対まとめサイトの掲示板より。

上記を含め、私が見かけた賛成派の反論はほとんどは、
反対派全員を匿名の影に隠れた2ちゃんねらーやらネット右翼
とやらのレッテルはりなどによる『印象操作』であり
それは相手にするに値しないと私は思っています。
Posted by 管理人 at 2005年03月17日 08:30

( ´_ゝ`) んだね。
小倉秀夫氏のとこより。

ネット上では、部落解放同盟や朝鮮総連に「乗っ取られる」可能性を危惧するものが散見されましたが、小泉総理はもちろん、ポスト小泉として名前が挙がっている人々の中にそのような人事を行うものがいるように私には思えませんし、民主党が政権をとったとしても、総理になりそうな人物にそのようなものは見あたりません。また、人権委員会の人事は衆参両議院の同意が必要なわけで、そのような人事を行おうとすれば国会が紛糾することが予想されますが、そこまでして時の政権が部落解放同盟や朝鮮総連の便宜を図ろうとするとは私には思えません。
(3/17のエントリより)

小倉氏は「そういう人事を行うようなものがいるようには思えない」ようですが、反対派はそういう人事が行うことができることを懸念してるわけで、その懸念に対する回答が国会が紛糾するとのことであれば、年度予算なんかが強行採決で決定されてきた歴史を見てないってことですかそうですか。
3/16のエントリあたりでも「特定団体の利権」を優先する人物を、衆参両議院の賛成のもと内閣総理大臣が任命するというのは考えがたいですと書かれてるところを見ると自分の見識が未来に渡って通用するものと考えられてるようです。( ´_ゝ`)

もし立ち入り検査後に誤認だった事がわかった場合、どのように名誉を回復するのでしょうか?
会社に立ち入り検査をされれば、それだけでおそらく解雇になってしまうでしょうし。
この法案には誤認だった場合のことが記述されていませんが、ありえないということでもないでしょう。人間が調査するわけですし。

会社のパソコンを利用して差別的言動と受け取られかねないコメントを投稿したりしていた場合には「職務専念義務」違反で解雇になることはあるでしょうが、そうではなくて自宅のパソコンでコメントを投稿していた場合はそもそも会社に立ち入り検査をしないのではないかと思います。
(3/16のエントリより)

会社のパソコンを押収したり、会社に立ち入り検査をするかどうかのさじ加減ひとつとっても人権委員会次第な法案でも「立ち入り検査をしないのではないかと思います」
あっそ。
それ反論になってねーし。名誉回復云々はスルーですかそうですか。

また不特定多数の言動に関する訴訟について、例えば石原都知事の言動による裁判について、はおおよそ敗訴となっています。司法がそういう判断をしてる以上、つまり不特定多数に対する侮蔑は言論の自由の範疇だと判断してる以上、司法の意見に背いた法による制裁が出来る法の整備は三権分立を侵害しています。

今回の人権擁護法案は、そもそも不特定多数に対する侮蔑を対象としていません。
(中略)
 第3条第2項は、差別的言動の禁止に関する規定ではなく、差別的取扱に関する規定です。
(3/16のエントリより)

不特定多数が属する個人の属性を持って差別することを対象としてますが。
(第三条 2-イ「特定の者に対し、その者の有する人種等の属性を理由としてする侮辱、嫌がらせその他の不当な差別的言動」)
不特定多数に対する発言を個人への侮蔑と訴えることはできるわけですが。

 第3条第2項は、差別的言動の禁止に関する規定ではなく、差別的取扱に関する規定です。
(3/16のエントリより)

( ´_ゝ`) ? 「第三条 二 次に掲げる不当な差別的言動等

たとえば、銭湯等に置いて「外国人お断り」みたいなことをやることを禁止することは想定しています。ただし、禁止されるのは「不当な差別的取扱い」や「人種等の属性を理由としてする侮辱、嫌がらせその他の不当な差別的言動」であり、国民主権等の原理により日本国民でないものに付与しないことが正当であると考えられているものはそもそも問題となりません。

それはこれを指してるんでしょうけど、背景を知らないで言ってるならタダの無知、知ってるなら逆差別ちゃうんかと。

他方、匿名で「正当な言論」を行っている人々の場合、人権委員会からの「不当な」是正勧告を拒絶した場合、人権委員会は、被勧告者の氏名とともに、どのような言論に対して是正勧告をしたかということは具体的に公開されるでしょう。すると、人権委員会が正当な言論に対して是正勧告を行った場合には、是正勧告を受けた側ではなく、是正勧告を行った人権委員会の方が社会的な非難を受けるわけですから、「普通の市井の人々」から「正当な言論」と評価される言動を行っている人たちは何一つ萎縮する必要はありません。
(3/8のエントリより)

具体的に公開された段階で、その是非はともかく本人の社会的活動にきわめて強い制約が起こるわけですが。(とくにサラリーマンとか)
さらには人権委員会が社会的な非難を受けたときに、非難を発している人を更に是正勧告を送りつけ公開する可能性に関してはお得意の「ないと思う」ですね( ´_ゝ`)


基本的に賛成派と反対派の一番大きな乖離点は「国会議員を信頼するか否か」だろうと。
確かに私自身国会議員を賛成派の諸氏ほど信頼しているわけではないですし、政治不信が叫ばれてる中世の中の多くの人々も同じようなものでしょう。
それはBI@Kさんとこでも(どこか忘れたけど)日本の政治の限界なんだろうと。
それほど信頼されていない国会議員や政治を持って「政治家を信頼してください」っつってもそりゃ無理っつーもんだ。
そこまで信頼されるような事してるように思えんし。
そうなると議員制自体が崩壊するってのもまぁそうだな。
現に信頼って一点では十分崩壊してるでしょ。
それを選択したのは国民なんだから甘んじて受け入れろって言うならそういう意見もあるだろうけど、選択した国民にも反論する権利はあるんだよっと。
どこかのコメント欄で書いていた

共産主義は最高だ。ただし人間が運用しなければ。

が言いえて妙だなと。