2 : ◆Robo.gBH9M <b>@ロボ : 2008/02/07(木) 07:57:32 ID:???
コリン・パウエル(国務長官)、リチャード・アーミテージ(国務副長官)、そして日本通で日本語の
達者なマイケル・グリーン(国家安全保障会議東アジア担当上級部長)などが顔を揃える。つまり、
マケインが大統領になった場合、現ブッシュ政権のそれとあまり変わらない対日政策が
構築されることになるだろう。

とりわけ注目すべきはB・スコウクロフトの存在だ。フォード大統領、ブッシュ父大統領の国家安全
保障担当大統領補佐官で、C・ライスの教育係、イラク戦争に反対していた共和党穏健派の
代表格である。彼の存在が象徴的だが、外交政策に関してはややリベラルに振れる可能性が高い。

■オバマ陣営には意外や“アジア通”が多い
問題は、伝統的に日本に厳しいとされる民主党が政権を取った場合だ。

クリントン陣営の外交スタッフには、夫ビル・クリントン大統領時代のスタッフでもあるカート・キャンベル
(国務次官補代理)など、知日派のアドバイザーもいることはいる。だが、どちらかというと
M・オルブライト(国務長官)やウィリアム・ペリー(国防長官)など朝鮮半島専門家が多い。

米国の対東アジア戦略が大きく転換する可能性がある。とくに6者協議については対北朝鮮宥和派の
オルブライトの存在が何らかの「変化」をもたらすかもしれない。

では、オバマ陣営はどうだろうか。意外なことに、選対の外交スタッフの中にもっとも?アジア通,,の
多いのがこのオバマ陣営である。

クリントン陣営との類似点があるが、当選したら、イラク戦争への反対などさらにリベラルな陣を
敷くだろう。

東アジア専門家のジェフリー・ベーダー(NSCアジア問題担当部長)、「1998東アジア戦略報告」を
作成したデレク・ミッチェル(国防長官特別補佐官)、日本の防衛研究所にいたマイケル・シーファー
(国家安全保障問題担当上級顧問)、そして、ボーイング・ジャパン前社長で、22年間日本に住み、
日本人の妻を持つロバート・オァー(在日米国商工会議所副会頭)がいる。

このようなアドバイザーが存在するためか、実際にオバマの日本に関する知識は驚くほど正確だという。

■ワシントンでは誰も日本を気にしていない
さて、肝心の日米関係はどう推移するのだろうか。

クリントンとオバマの所属政党は民主党である。過去、民主党政権の間には、日米関係が悪化する
傾向にあった。今回も危険な状況に陥ることはあるのだろうか。

実はその点については、筆者は、大した心配には及ばないと考える。なぜなら、今回の大統領
キャンペーンでも明らかなように、もはや米国の考える外交のゲームプランにおいて、日本は重要な
プレイヤーではないからだ。どの候補も、日本との関係については特別に言及していない。

今回の大統領選では、外交に関しては、イラク、パレスチナを中心とする中東、そして経済的な
パートナーとしての欧州と中国ばかりに話題が集中している。日本はと言えば、辛うじて対中関係の
中で触れられただけにすぎない。つまり、ワシントンでは誰も日本を気にしていないのである。

神経過敏な日本のメディアが大騒ぎしているためか、今回の大統領選でも、日本はアジアにおいて
米国の唯一のパートナーであるかのような報道が一部で流されている。だが、それは現実とはあまりに
かけ離れている一方的な「対米片想い」に過ぎない。

確かに、日米同盟は存在しているが、米国の世界戦略上、日本はかつてのような最重要国からは
すでに脱落している。米国にとってのアジアのカウンターパートは中国であり、その次はインドだ。
もはや、日本は東アジアの戦略上の便利な「同盟国」としかみられていない。

確かに、米大統領選の結果は、日本にとっては重要だ。だが、米国からすれば日米関係は、誰が
勝利を収めようと、特段の「変化」はないのである。それが現実であり、現在の日本の置かれた
国際的な立場なのである。

無責任なコメンテーターや専門家の「分析」に惑わされないよう、冷静に米大統領選を注視して
みようではないか。−以上−

【コラム】もはや重要ではない日米関係、誰が大統領でも影響はない−上杉隆 [2/7] * c

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