1 : どろろ丸φ ★ : 2007/07/13(金) 07:54:38 ID:???0
日本人の定着した戦争観の観点から、久間防衛大臣は1つではなく2つのルール違反の発言
をしたのではないかと思います。1つは、マスコミが厳しく叩いた「(原爆投下は)しょうがない」
という発言です。もう2つは、マスコミがあまり騒がなかった「あれ(原爆)で戦争が終わったんだ」
と言ったことです。

後者の発言「あれ(原爆)で戦争が終わったんだ」は、戦勝国の観点を普通に表します。一部の
日本人も似ている意見を述べています。その一人は、昭和史研究の大家である保阪正康氏
です。『あの戦争は何だったのか』という本の中に次のように書かれています。『こういう言葉も
誤解を招くかもしれないがあえて使わせてもらうと「原爆のおかげで終戦は早まった」のだ。』。

誤解を避けるために述べておきます。私はこれまでに少なくとも3回以上、広島平和記念資料
館を訪ねたことがあります。訪れるたびに、改めて原爆の恐ろしさを思い知らせられ、悲しく
苦しい気持ちでいっぱいになります。日本人と同様に、戦争の結末として、あまりにも残酷だっ
たと思っています。原爆投下は、二度とあってはいけないことだと確信しています。

にもかかわらず、日本人の定着した戦争観に対して、いつも2つのことを疑問に感じます。一つ
は被害者意識です。逆に言うと加害者認識の欠如です。もう1つは、日本の戦争責任配分に
関する、一種の集団記憶喪失現象です。要するに、あの戦争は誰の責任だったのかという
責任配分プロセスが、ほとんど進められてきていないようです。

まず被害者意識です。日本で被爆の議論が起こるたびに、それが理屈の空白の中で行われ
ているような気がします。ほとんどの議論は結果論に絞られ、因果関係の「因」が抜けています。
「日本は被害者で世界唯一の被爆国だ」というのがあの戦争の議論の大前提で、出発点と
なっています。これはあべこべのロジックだと思います。実態をうやむやにさせる考え方です。
日本にとってあの戦争を振り返って教訓にしようとするときに、日本が加害者だったことが出発点
ではないでしょうか。 (>>2-5に続く)

日経BP:http://business.nikkei...11/129636/

【論説】日本人の戦争観は「被爆国→被害者意識」で“加害者意識”が欠落。また「戦争責任」に関し記憶喪失…B・ホルコム氏 * c

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