4 : ☆ばぐた☆ ◆JSGFLSFOXQ <b>@☆ば/span> : 2008/02/05(火) 01:50:34 ID:???0
>>1のつづき)
−政府と自治体は一線を画す、ということですか。

井上 そうです。権力と我々の主権とを分けることが実は大事なのです。戦争を起こす主体は常に政府で
 決して国民ではありません。そんな政府に、主権者の国民が絶えず批判を加えていくのが国民主権の
 基本的枠組みです。ところが国家と国民は一体という幻想があって、国が何かやるとき国民は協力
 しなければならないんだと考えてしまう。しかし、昨年夏の参院選では、時の政府・為政者と国民は
 別なのだと示したと思います。「美しい国」はうさん臭いと分かった。

−言葉の偽装をはぎ取らなければいけません。

井上 言葉が本来もっているいろいろな意味や豊かな表現が擦り切れて、使っているうちに<つるつる言葉>に
 なっているんですね。あるいはもともとないのに誰かが<つるつる言葉>をつくり出して、人を動かす。
 民営化とか経済成長とか国際貢献とかは<つるつる言葉>です。こうした<つるつる言葉>を政府が
 持ち出してきたり、力のある人が言い出したときは、その下にどんな意味がぶら下がっているか、よく検討
 しなければいけません。

−戦争や平和も<つるつる言葉>でしょうか。

井上 残念ながら、そうなってしまいました。戦争には正しい戦争はない、戦争を言い出した人は生き残るけど、
 それに動員された国民は命と財産を投げ出さねばならない。それが戦争なのですが、戦争という言葉も
 つるつるになったので、戦争反対といっても<つるつる言葉>に反対しているだけで、気合が入らない。
 平和だって同じです。昨日の生活が今日そして明日へと少しずつ良くなりながら続いていくという保証が、
 平和の本来の意味だと思います。自分たちが生きるための最重要な道具である言葉の手入れをすべき
 ときですね。言葉に力を宿らせ、言葉を鍛え直したい。(>>3-10につづく)


【論説】 「日本各地に、無防備地域作りたい」 井上ひさしさん、9条から前へ…毎日「日本の医学でブッシュさんら“人質”にし、平和を」 * c

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