42 : 名無しさん@八周年 : 2007/11/20(火) 01:16:55 ID:NWy7BOZT0
家庭内暴力猿人・井上ひさしの破廉恥な告白と自己正当化の論理
(文春文庫1984年刊『巷談辞典』pp.309-310「動物愛護」より)
「動物を可愛がっておいでの皆さんからは叱られるかもしれないが、子どもの
時分からずいぶん犬や猫を苛めてきた。
 (略)
たとえば小学五年のとき、近所の猫を煮干し用雑魚(じゃこ)でおびきよせ、
とっ捕えてやつの鼻の穴にわさびの塊を押し込んだことがある。例(くだん)の
猫はぎゃっ!と名状すべからざる悲鳴をあげて三十糎もとびあがり、次の瞬間、
時速百キロは優にあろうかと思われる速度で走り出し、そのまま行方不明に
なってしまった。
 また小学六年のとき、柔道を習い始めたが、あるとき、この柔道の教師が、
「猫はどんな高いところから跳びおりても、ぴたりと四つ足をついて着地するが、
姿三四郎はこの猫の着地法を見て独得の受身術を編み出した」 と、話すのを
聞き、友だちと猫の着地術を研究したことがある。やはり近所の猫を雑魚で
おびきよせて捕え、火の見櫓の天辺から落したのだ。猫はにゃんともいわずに
即死した。(略)火の見櫓の高さは三十米はたっぷりあった。妖怪変化と仙人と
鳥類以外は、これはだれでも即死する高さである。
 高校時代、日向ぼっこをしていた猫にガソリンをかけ、マッチで火をつけたこと
がある。猫はあっという間に火の玉と燃えあがり、ひかり号なみの速度で西に
向って走り出し、これまた行方不明となった。まだ達者ならとっくに地球を
一周して戻ってきていいころであるが、それ以後、彼の姿にはとんとお目に
かからぬ。おそらくどこかで野垂れ死にしたのであろう。
 それにしても、わたしはなぜこのように猫に辛く当ったのだろうか。(略)
動物愛護家には人間を愛することのできない人が多いような気がする。
あの人たちは自分と同じ種族である人間が飢えているのを見すごすことは
できても、自分の傍にいる犬猫が飢えているのは黙視できないのではないか。
(略)わたしたちの動物虐待は、屁理屈をつければ、そういう人たちの
<動物愛護精神>にたいする無意識のからかいだったのだ。


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