(7/13 ようつべにあった動画を追加)
Cioさんとこで見て以来気になってたのをちょろっと調べてみる。

 全日本ろうあ連盟の久松三二・本部事務所長は「個人的な意見」としたうえで、「番組に手話をつけることは大変ありがたいが、この番組に助成金を出すのはいかがなものか。他にも手話をつけてもらいたい番組はいっぱいある」と指摘する。

手話を付けてない重要番組に手話つけてくれっていう問題と、手話をエンターテイメントにしてる番組に助成金が出たって話とは全くつながりが無いんだけど…
ちょいmemo – 何が不満なのか解らん

ちょいmemo – ぬぬぬー…
元の記事は毎日から。

 CS放送のアダルト番組専門放送局「パラダイステレビ放送」(東京都新宿区)の番組に、障害者向け放送での字幕や手話の経費を補助する「字幕番組等制作促進助成金」が出ていたことが分かった。助成対象番組の審査をする総務省の外郭団体は「手話があり、申請を断る理由はない」としている。アダルト向け番組では初の交付で、放送局は「障害者も人生を楽しんでという趣旨を理解してもらえた」とするが、障害者の中には「この番組に助成金は必要なのか」と疑問視する声もある。【三木幸治】
アダルト番組:障害者向け字幕や手話に助成金 CS放送”話題:MSN毎日インタラクティブ


何にしろ助成金の中身がわからんと何ともかんともって訳で引いてみる。

この助成金って何だ

この助成金事業をしてるのは毎日の記事にあるようにNICT 独立行政法人 情報通信研究機構。根拠法は独立行政法人情報通信研究機構法
んで助成金はこっち
字幕番組等制作促進助成金

本支援は、視聴覚障害者がテレビジョン放送を視聴するために不可欠な字幕番組、解説番組及び手話番組を制作する公益法人に対して、字幕等を付与するための追加的な経費の2分の1(在京キー5局の字幕番組については6分の1、在阪準キー4局の字幕番組については4分の1)を上限として助成するものです。

「字幕等を付与するための追加的な経費」って何じゃらほいと思って探しまわったらちょっと古めな資料が出てきた。

4 助成対象経費
助成対象経費(助成金の交付の対象となる経費をいう。以下同じ。)は、助成対象事業を実施するために必要な経費として別紙1に掲げる費目のうち、機構が予算の範囲内で助成を行うことが適当であると認めるものとする。
身体障害者向け通信・放送役務提供・開発推進助成金交付要綱:TAO

別紙1がねーぞヽ(゚Д゚)ノ
まぁ恐らく字幕つけたり手話映像入れたりで必要な人件費+αぐらいのもんじゃないかと思う。
というのは実績の表から

年度 番組本数 基金運用益 補助金 合計
平成18年度 16,044 500万円 4億6,204万円 4億6,704万円

という事で平均しても1番組3万円ちょい。キー局だと6倍で18万、キー局以外だと倍で6万の経費ったら人件費ぐらいじゃね?ってのが理由だったりする。
実際毎日の報道でも

06年10月縲恪。年3月の間に手話にかかった経費の一部(約15万円)が4月支払われた。今年度分も助成金が交付される見込みだ。

となってて5ヶ月分の補助金が15万つーあたりからそんなに外れてないんじゃないかと。
うん、あんまり毒にも薬にもなりそうにない制度だなぁ。
この独立行政法人にしても積極的に情報公開してるようであんまり突くとこもなさそうな印象。
情報通信機構公開資料
まぁお決まりの天下り批判するなら
NICT 独立行政法人 情報通信研究機構
このへんか。事業が元郵政管轄だから郵政省出身の理事がいますねと。
めんどいからその辺は触りたくないヽ(゚∀゚)ノ


ちょいと気になるのは新潮の記事にあるこの部分。
週刊新潮 TEMPO

一方の情報通信研究機構はというと、
「我々が直接お金を出しているのは放送番組センターという公益法人で、そこがパラダイスさんと契約して手話ニュースを制作してもらっているんです。だから、国から直接助成を受けたように大宣伝しないでもらいたいのですが……」

放送番組センター?と思ったらここみたい。
業務および財務等に関する資料:放送ライブラリー
中身は放送局の業界団体。役員はテレビ局の役員がずらり。
というか良く分からなくなってきた。
image_jimaku2.gif
なんか新潮の記事を見るとNICTはノータッチみたいになってるけど毎日の記事では

 放送局は、昨年7月に助成金交付を独立法人・情報通信研究機構(東京都小金井市)に申請。同機構は審査のうえで、「手話は専門家の指導を受けており正確。聴覚障害者の役に立つ」と判断し、同年10月に交付を決定した。

となってる。
んー、パラダイステレビと放送番組センターの契約ってのは何じゃい。
ちゃんと字幕なり手話が入ってるかどうかの監視みたいな何かなんかな。
まぁ、大きな流れとしておかしなところは無さそうだ。
少なくとも制度運営上は。

本題はここから

そもそも何がおかしいんだ?という疑問が沸く訳だが新潮の記事はわかりやすくて「公的な(?)資金をアダルト番組に流すな」みたいな話。
週刊新潮 TEMPO

CS「裸のニュース」に助成金とは何事ぞ!
 女子アナが、ニュースを読み上げながら服を一枚、また一枚──と最後は素ッ裸になってしまうケッコウな番組がある。
 スカパー(CS放送)のポルノ放送局「パラダイステレビ」が毎週金曜日に流す『裸のニュースステーション』という番組だが、なんとここに国が助成金を出すことになったのだ。

毎日はちっとわかりにくいな
アダルト番組:障害者向け字幕や手話に助成金 CS放送”話題:MSN毎日インタラクティブ

障害者の中には「この番組に助成金は必要なのか」と疑問視する声もある。【三木幸治】
(略)
▽字幕番組等制作促進助成金 身体障害者のための通信・放送身体障害者利用円滑化事業推進法に基づき、93年に設けられた。手話や字幕にかかった経費の半額を上限に助成。交付元は、郵政省所管の通信・放送機構だったが、04年からは同年にできた情報通信研究機構。機構には政府が出資している。昨年度までに7万5828本の番組に対して、計41億7961万円が交付された。
(略)
◇裏返しの差別意識
 ▽放送評論家、松尾羊一さんの話 視覚・聴覚障害者も楽しめる番組編成は重要だが、CSのアダルト専門放送という限定的な番組にどれだけニーズがあるのか、把握したうえで助成を決めたのか疑問が残る。「障害者への理解」を極端に強調する行為は、裏返せば障害者への差別意識の表れ。(機構が)「助成するのはお堅い番組だけではない」とアピールするため、点数稼ぎを狙ったとも勘ぐりたくなる。

うーん。

  • 新潮と同じ
  • アダルトへ流すような助成金は無駄だ(行政の無駄遣い指摘?)
  • 行政の点数稼ぎに対するイヤミ

こんなとこか。ますますもってよく分からん。
っと、話題の中心の番組を調べるの忘れてた
裸のニュースステーション2|トップ(入り口だけは18禁じゃない)
(,,゚Д゚) ……これはシュール。
なんかちょっと面白そうだ。

ニュースキャスターがまじめにニュースを読みながら服を脱いでいく。
そこにはニュースキャスターという堅いイメージとヌードという相反する概念が交錯したカオスとエロスの時間が展開される。
オパーイ(*´Д`) ハァハァ ←シリアスに書いたの台無し

みたいな。
ただ確実に言えるのは「これ超ニッチじゃね?」ってところ。
少なくとも「まじめにニュースが見たい人間」も「エロスを求めてる人間」も絶対見ないんじゃないかと。
そう考えたら一種の前衛芸術というかタガの外れたコントというかそんな感じのものと考えるのがいいような気がする。
ただ、これに手話とか字幕つけてどーすんの?ってのは払拭しきれない。
この番組はシュールさを笑うもんじゃないの?


んー。
そう考えると、この番組に補助金がおりた事に対して

 全日本ろうあ連盟の久松三二・本部事務所長は「個人的な意見」としたうえで、「番組に手話をつけることは大変ありがたいが、この番組に助成金を出すのはいかがなものか。他にも手話をつけてもらいたい番組はいっぱいある」と指摘する。

こういった批判が出る事は賛同できる。
というのは全文検索でサルベージした古い資料ながらNICTが出してるこの資料
2.通信・放送サービス:TAO
から、字幕付与率/手話付与率を見れば「まだそれほど字幕や手話が付与された番組は多くない」ってのが分かるかと。
正直「あそこまでニッチで、あんまり字幕なり手話の必要性の無い番組に補助金出すなら別のに出してやれよ」ってのは思う。
ただ、この制度自体が申請制なんで「ここに払わない」ことと「別の番組に補助がいく」ってのは全く関連が無いのが説得力なす( ´Д`)
そう考えりゃNICTにしたって「申請こない番組に対して予算残すぐらいならニッチでも申請来たとこに補助出そう」って考えるのは補助制度の目的からしてそれほど外れてる訳でもないと思う。
パラダイステレビはきっとノリで申請出したんじゃね?とか。


ここまで書いててやっとcioさんのエントリに感じてた妙な違和感が分かってきた。
いや分かってない( ´Д`)どっちやねん。
最初にこの記事を読んだ時に思ったのは「アダルトな番組に字幕(手話)ってアレですか。喘ぎ声をアンアン字幕にしちゃったりするのか?」的なことで、ああ確かにそりゃ無駄ですな。無駄というか萎えるよ。パパ今日はがんばれないよ。的な感想だった。
一言で言えば ( ´Д`) 萎えるよ ←AVのインタビューは飛ばす派
まぁその大部分は勘違いだったわけだが、いやむしろ勘違いじゃないのか。
どうも昨今のバラエティー番組のテロップ多用で「ここで笑ってください」スタンスみたいなのが嫌いな俺としては前衛コントにまでテロップ入れちゃうのかよみたいな妙な感じ。
結局のところここまで通してみてあんまり障害者差別的な物がさっぱり浮かんでこなかったってのが違和感といえば違和感かな。
差別って出てるのは

▽放送評論家、松尾羊一さんの話 視覚・聴覚障害者も楽しめる番組編成は重要だが、CSのアダルト専門放送という限定的な番組にどれだけニーズがあるのか、把握したうえで助成を決めたのか疑問が残る。「障害者への理解」を極端に強調する行為は、裏返せば障害者への差別意識の表れ。(機構が)「助成するのはお堅い番組だけではない」とアピールするため、点数稼ぎを狙ったとも勘ぐりたくなる

ここだけで、これも

「障害者への理解」を盾にニッチなところに補助金ジャブジャブってのは良くないよ

って程度の話じゃない?
ここだけ見たら

ヽ(゚∀゚)ノ  ← シャレで申請して通ってびっくりしたパラダイステレビ
( ´Д`)? ←申請来たから通したら非難されて困惑してるNICT
(#゚Д゚) ←パラダイスに吊られてる松尾氏

のように見えるのは読解力が無いのか感受性が鈍いのか。


あと毎日の記事にある

 ◇「生活の質」論議を
 ▽障害者の性を扱った「セックスボランティア」の著者、河合香織さんの話 健常者と同様に障害者にもある性欲とどう向き合うかについて、日本は欧米に比べて避けたがる傾向が強い。番組に対してどのような感情を抱くかは個人の問題であり、アダルト番組であっても、障害者に番組視聴についての選択の自由があっていい。今回の助成をきっかけに、真に障害者の生活の質を高めるにはどうすべきかを考えてほしい。

これは恐ろしくトンチンカンな話だな。
「障害者の性欲にどう向き合うかについて」以前に性欲云々でこの番組見る人間いなくね?ってのはちゃんと考えた方が良い。
性欲をなんとかするなら同じパラダイステレビの別の番組見るんじゃね?とか。
あれじゃ立つもんも立たんわ。
いや、そういう性癖の人は知らんけど。

ここまで来て何ですが

まぁアダルトに字幕は無粋ですよと。
あれは揺れと表情を楽しむものです。 ←あまり突っ込まないこと
せっかくここまで読んだ事だしちょっとおっぱい!してかないか。

    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
  (  ⊂彡
   |   | 
   し ⌒J

注:特にオチはありません。
(7/13追記)
ようつべに動画が上がってた。(露出はゼロ)

こwwwwwwwwれwwwwwwwwはwwwwwwwwwww
テラワロスwwwwwwwwwwwwww