社会保険庁の(民主党曰く)消えた年金問題でかまびすしい昨今、ちらりほらりとニュースを追いつつだらりだらりと考えてるんだが、なんで安倍政権が批判の対象になってるのかがよく分からないというのが本音のところ。
まぁ年金に対する不信感みたいなものは分からんでも無いのだけれど、それにしても政権に向かう類の話じゃないんじゃないかなぁとか。
そんな中でbewaad institute @ Kasumigaseki(以下BI@K)の次のエントリが素晴らしく良く書けていて(何か偉そうな書き方だな俺)いろいろ納得する点が多かったので紹介してみる。
山口浩さんの問題提起にお答えします。 | bewaad institute@kasumigaseki
特に不信感が「年金の超長期性」にあるというセクションはすんなりと心に入ってものすごく得心してしまう。ああ、こういう説明をされると少し冷静に見れそうだなと思いつつν速+あたりで話題になってる安倍内閣メールマガジンの内容について触れてみようかななどと思うというのが前振りってのはいくら何でも長過ぎじゃないか。


安倍内閣メールマガジン 第34号 縲怩「ざ公務員改革(2007/06/21)縲ﴀ＀F
先にポジションを述べるなら今回のメールマガジンは極めて真っ当でそれほど変じゃないんじゃないかと思う。
サマリーとして

  • 年金問題
  • 国会の状況
  • 公務員制度改革

の3点。

年金問題

 一連の年金記録の問題については、政府のトップである私に、最も大きな責任があります。この問題の解決を、私の内閣で必ずやり遂げます。
 年金記録を確認するための第三者委員会が25日から始動します。領収書などの証拠をお持ちでない方の場合でも、みなさんの立場に立って一緒に考え、筋道が立っていれば、年金を必ずお支払いします。
 責任の所在を検証するための委員会もすでに活動を始めています。今後とも、やるべきことを一つ一つ着実にやっていきます。

1段目で書かれているように、今回の年金問題ってのは今までの政権が本来責めを負うべきであるんだけど現在の内閣総理大臣がその責任の一端を握らなければならないってのは道義的にも正しい。
正しいけれども、安倍総理のせいでこのような問題が起きたかのように国民が捉えてしまうのはちょっとフェアじゃないと思う。フェアじゃないというか不条理というか。
もちろんそれによって総理の責任が軽減される訳ではないけど、就任一年にも満たない安倍総理の手腕を判断するにはあまりにも短すぎるんじゃないかと。
第三者委員会もベストとは言えないまでもベターな策であると思う。
というかそれ以前に安倍政権と民主党の救済策のポリシーからして安倍政権に利があるように思う。
自民党のポリシーは数々の報道から「受給資格の喪失に関しては時効撤廃で救済」「基本は受給者の自己申告で対応」「年金だより制度の新設」「第三者機関で公平な救済」「即効性重視で救える部分から順次救済」で、民主党は「無条件の時効撤廃」「社保庁マターで対応」「年金通帳の新設」「全てのデータ統合をしてから施策の決定」「広範な救済」あたりかと。
参考:
社保庁法案と年金救済法案、参院で審議入り|政策|政治|Sankei WEB
本物の被害者補償実現へ 一年かけて立案した 民主党の「消えた年金」被害者補償法案提出 ー 民主党 web-site
どちらも結果的にはそう大差ないんじゃないかと思う。
でも、民主党案は調査/データ統合がどれほどの日数、どれほどの期間、どれほどの予算がかかるかが明示されていない以上、自民党案よりも即効性が担保されていないという批判は免れないと思う。
問題はここにあって、基本的に俺も含めた現役世代は「今すぐ統合される必要なんて無い」ってのを忘れちゃいけないんじゃないかと。
逆に受給世代ってのは今まさに年金を受けて生活をしてるわけだ。
だとしたら優先順位は自ずと明らかなんじゃないか?
三位一体の改革に関連して「住民税が増えて生活がままならない」と言うような層は当然ながら自民党案のがメリットが多いというのは知ってて損じゃないと思う。

 日本共産党議員団のもとには「毎日五円、十円を節約して暮らしてきたのに、今回の増税でいっぺんに持っていかれる。年寄りは早く死ねということか」(品川区)など、悲鳴ともいえる声が多数寄せられています。
住民税増税/問い合わせ6万件超す/都内の31区市町

更に民主党は「『年金記録が消えた』という人たちの訴えは、基本的に認めるという前提に立たないとなんの解決にもならない」などと年金の根幹部分を失墜させかねないような大暴言を言い放ってる。
参考:
ニュース速報+ / 【政治】小沢民主党代表『年金記録が消えた』という人たちの訴えは、基本的に認めるという前提に立たないとなんの解決にもならない」@2007/06/06 – PukiWiki
小沢代表:消えた年金記録問題、挙証責任は政府に (民主党三重5区 金子洋一)
俺はこれこそ現役世代が怒らなければならない発言だと思う。
なぜなら、年金制度は常に「現役世代が(さらに前の受給世代を支えてきた)受給世代を支える」のが基本理念にあるわけで、小沢代表が言っている事はそれを覆し「現役世代はその誰彼を問わず受給世代を支えろ」と言っているに他ならない。更に国庫負担を増やそうなど現役世代に対する二重三重の負荷だ。
民主党はさておき、自民党の政策はそれなりに筋が通っているしそこまで捨てたものでは無いんじゃない?
参考:amaochi.comの人はさすがやね。
解決のためには誰を問うのか@バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳
問題を解決するために考えよう@バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳

国会の状況

国会は大詰めを迎えています。
 
会期末が迫る中、年金関連法案など何としても成立させなければならない重要法案がまだ残っています。

考えるまでもなく安倍内閣になってからものすごい勢いで法案が通ってるんだよなぁ。
教育関連3法案しかり、イラク特措法の期間延長しかり、刑事訴訟法の「被害者参加制度」だの。
割と懸案になってたものとか、外交上必要な改正イラク特措法とか正に粛々と採決してるのはメディアがどう言おうが評価せざるを得ない。
というかそろそろ「強行採決」って言葉は無くしたらどうかとか思う。
少なくとも絶対安定多数を持った与党に対して使うんじゃなくて、野党に対して「ノイジーマイノリティー戦略」とでも言えばいいのに。
参考:
派兵延長・教育3法 成立/与党強行 戦争する国作り狙う/会期12日延長与党方針決定
改正イラク特措法成立、復興支援活動を2年間延長 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
「被害者参加制度」関連法成立、被害者の会が喜び語る : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

公務員制度改革

公務員制度改革も待ったなしです。
日本の公務員は、戦後日本の発展に大きく貢献してきたと思います。しかし、時代の変化の中で公務員に対する国民の認識も変わってきています。
バブル崩壊後の厳しい経済状況や、激化する国際競争の中で、民間では、リストラの断行、年功序列から能力本位への転換など、生き残りをかけた努 力が行われてきました。
にもかかわらず、公務員だけが、誰も責任を問われ ることなく、時期がくれば昇格する古い人事システムを温存してきました。  
度重なる官製談合は、公務員に対する国民の信頼を大きく失墜させたと言 わざるをえません。世界の中の日本をどうつくっていくかを考えねばならな いときに、相も変わらず小さな利益にとらわれ、利益誘導を図る。
いつまで、 こんなことを繰り返すのか。
この体質は、根本的に改めねばなりません。

まったくもってその通り。

もちろん、まじめで優秀な多くの公務員がいます。志の高い公務員が、その実力を遺憾なく発揮できるようにしていく。こうした思いで、公務員制度改革のための法案を今国会に提出しました。
この法律によって、各省庁による不透明な天下りあっせんはなくなります。 権限や予算と、人事との関係を完全に断ち切ることができます。OBによる 利益誘導は厳しく規制し、不正な行為には刑罰をもってのぞみます。
公務員が再就職をする場合には、各省庁から独立した官民人材交流センターに一元化し、そのプロセスを透明化します。公務員のリストラを促すため には、むしろ、こうした透明なシステムが必要です。

ここすごい誤解してる人いる様な気がする。
官製談合の温床になってたような天下りって結局のところ各省庁、各職員が勝手に天下ってて立法府のコントロールが効かなかった事がそもそも根幹の問題であって、政府案はそれをガラス張りの組織に一本化することで「監視と制御可能な」人材利用ができるようにって案なわけで。
何で天下りだの再就職だのするかって言えば、言うまでもなく退職してから年金貰い始めるまでの期間のメシを稼ぐってのは民間も公務員も一緒なんじゃないのかと。
更に言えば退職する公務員にってのは(そりゃとことんまで腐ってダメなやつもおるだろうけど)長年行政に関わってきた行政のエキスパートなわけで、その知識が活用できるのであれば活用しましょうってのは日本の国益を考える上でもそりゃそうですねとしか言い様がないでしょと。
という意味で与党案てのは極めて妥当だなーと思うわけです。

「公務員は民間に再就職させずに、全員が定年まで働けるようにした方がいい」という意見もありますが、私には理解できません。
「行政改革を進め、筋肉質の政府をつくるべき。」これは国民の声です。
公務員であっても、いや、公務員であるからこそ、リストラから逃れるこ とはできません。公務員が増えて肥大化するのでは、本末転倒です。求めら れている能力に欠ける公務員には、やはり去ってもらわねばなりません。
官のリストラを進めていくと同時に、天下り問題を根絶していく。これが 政府案の考え方です。

公務員を退職させる事をリストラと呼ぶのは慣用的に正しいとは思うんですがちっと違うかなと。
むしろ政府がやろうとしている公務員制度改革自体が本来の意味でのリストラ(re-structuring)なんじゃないかと。
こう見ると安倍政権って地味ながら極めて順当に事をすすめてるんじゃないかね。
マスコミに踊らされて好き勝手言うのもいいんだけどあんまり知性的な行動じゃないんじゃね?とは思う訳です。
つか批判するならソースぐらい読むといいよ。

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