岐阜一区で野田聖子前議員の対抗馬として自民党公認で出馬したエコノミストの佐藤ゆかり氏。
正直彼女も女性候補ブームで出て来ただけの候補だと思ってたんだけど、公式ページの政策提言見てぶっ飛んだ。

日本の家計は、企業の人件費抑制の傾向が続くのに加えて、今後は財政再建の増税も負担していかざるを得ない状況です。少子高齢化を支える勤労者世帯の逼迫を鑑み、消費の活力維持に目配りしながら財政再建を進めるためには、引き締めと同時に他で手綱を緩める、天秤のバランス政策が必要でしょう。どこで手綱を緩められるのか、政治の強いリーダーシップによる行政横断的な、トップダウンの創意工夫が、ますます政策的に求められる時代になってきました。そこで、「経済政策・維新」の一環として、私は次の3つの緊急政策提言をしたいと思います。
「経済政策・維新」 3つの緊急提言
* その1……「規制緩和なくして、増税なし」
* その2……「サラリーマンと企業の新たな共存方法」
* その3……「第3次ベビーブームの実現へ」
佐藤ゆかりの政策提言

すげぇ。この人只者じゃねぇ。

その1……「規制緩和なくして、増税なし」

まず、「経済政策・維新」の第1弾として、「規制緩和なくして、増税なし」を私は提唱いたします。一段の規制緩和へのコミットメントを行い、消費者に対して基礎的なモノやサービスの価格低下を促す、これを担保とするまでは増税しないというコミットメントです。
規制緩和と増税がなぜ、政策ミックスになるのでしょうか。規制緩和を行うと、これまで規制で守られていた産業に競争が高まる結果、価格引き下げにつながります。電気代やガス料金、固定電話料金、任意自動車保険料など最近の公共料金の値下げがその代表例です。こうした公共料金の値下がりは、所得階層に関わらずどの家計にもベネフィットが及ぶと同時に、料金値下がりによって、家計が一定の可処分所得のなかで、他のモノやサービスに選択的に消費をまわす余地が生まれる効果があります。このため、公共料金の値下げは、いわば減税措置に匹敵するのです。こうした公共料金の値下げを持続させるためには、規制緩和の分野拡大や技術革新のモメンタムを維持していくことが重要になります。規制緩和を組み合わせることで、財政再建の家計負担を中立化させるポリシーミックスは、今後の日本にとりまさに重要なポイントです。
佐藤ゆかりの政策提言

経済に疎い俺にすればこの考え方は目から鱗だ。
確かに規制緩和で今までの保護産業が市場原理に晒される事で、公共料金低下を期待する事ができ、その結果各家庭の可処分所得が増える事を考えると実質的な減税に匹敵するインパクトをもたらす事ができるはずだ。
そうすると国庫にとっても国民に取ってもWin-Winの関係が築けると。
問題は、規制緩和から公共料金値下げに至るタイムラグだろう。
保護産業の性質にも依るだろうが、参入障壁によって産業を保護して来たような業界であれば規制緩和から新規参入までどう短く見積もっても1年間、普通数年を要すと考えるのが自然だと思う。
そうなるとそれから競争が起こり価格下落が起こるまでに数年のスパンが必要になる訳で、経済活性化の特効薬とはなりにくいのではないかと思う。
もちろん業界によってはスムーズに新規参入や価格競争が起こるところもあるだろうけれど、それが全てでは無いということも考えなければならないと思う。
ということは、氏の言うように「価格下落と相殺するような増税」に踏み切れるまで同じく数年かかると見るべきで、現状の税収不足に即有効な効果があるとは言えないんでは無かろうか。
しかし、十年単位の中長期的視点で見ると規制緩和が消費拡大の一因になり得る事は間違いない。
そう考えれば、即効性はそれほど期待出来ないながらも、この政策は大いにアリだろう。

その2……「サラリーマンと企業の新たな共存方法」

一方、財政再建期に家計の税負担増が避けられないなか、企業負担も増やすべきとの疑問は生じて当然でしょう。実際、マクロ経済を巨視的に見れば、ここ数年、目覚しい業績拡大で毎年20030兆円の貯蓄を積み上げている国内企業に、財政再建の余資はあると言えます。しかし、こうした企業に直接増税すれば税収は増加するかのように見えるものの、現実的には、法人税率は引き上げられない状況にあります。日本の実効法人税率は40%弱と米国を若干下回りますが、イギリス、フランス、ドイツなどの平均30%台半ばと比べるとまだ高く、国際的な減税競争の下でむしろ一段の引き下げ方向で検討されています。従って、日本だけが税率を引き上げれば、企業は国外逃避して、再び国内空洞化から雇用懸念も上がるため、現実的な選択肢とは言えません。結果として、財政再建の直接的な税負担が、まず家計に降りかかる構図は今後中期的に避けて通れないでしょう。
佐藤ゆかりの政策提言

俺も既に法人税率は上限ギリギリに来てると見る。
やはり氏の言うようにこれ以上の法人負担の増加は企業の海外逃避とそれに伴う雇用低下、ひいてはそれに伴う社会不安から国民の備蓄傾向に拍車がかかり結果として税収減に転化するするだろう。
ではどうするかというと氏は

私の言う「サラリーマンと企業の新たな共存方法」とは、具体的に株式の配当支給を主なルートとする企業から一般家計への所得移転関係の構築を意味します。ビジネスモデル上、企業の利益最大化の答が固定費削減である限り、人件費は今後も抑制傾向が続くでしょう。こうして労働面で企業収益の拡大に貢献する家計にとり、合理的選択とは、企業活動に貢献する一方で、収益を上げそうな企業の株主にもなり、収益が上がれば非給与所得で株主還元を受けることです。こうして家計は、人件費抑制の負担と受益をマッチさせることが可能になるのです。ボーナス支給も業績連動ではありますが、株式配当による所得移転ルートは、人件費を上げずに所得移転できるため、企業の国際競争性も同時に維持できる、2兎を追うメリットがあります。経済の稼ぎ手である国内企業は国際競争の生き残りに必死であり、そうした企業とサラリーマンの新たな共存関係において、家計も自らの所得体系をより柔軟に組み立てて行く必要があるのだろうと思います。
佐藤ゆかりの政策提言

と、株主配当に基づく利益の再循環を提案する。
国民にとって自分の期待する会社の株式を購入する事で、給与所得以外で収益を望む事ができます。
国家に取っては株式の流動による税収増と、国民の可処分所得増大による消費拡大に伴う税収増を同時に満たす事ができます。
しかし、株式は国債や預金に比べて遥かにリスクの高い資産であり、安定指向の国民はそう簡単に資産転移を行わないでしょう。
氏はこれを株式保有リスクに対する税制上のインセンティブによって促進しようとしているようです。

残念ながら、現在の金融資産税制はこうした時代の新たなニーズに追いついていません。平成17年度税制改正では、株式譲渡損を株の配当所得や預金利子と合算して課税する、いわゆる損益通算を可能にする金融資産課税一元化が見送られました。この結果、今の税制は一般家計にとり、リスク資産である株式の保有インセンティブに欠けたままであり、1400兆円の個人金融資産の僅か5%程度にしか株式の直接保有が及ばないのに対して、ほぼゼロ金利の現金・預金保有は総額の56%に及んでいます。一方、米国の家計では、株式直接保有比率は20%程度と、現金・預金保有の12%を上回っており、日本株などの外国株式の保有も含めて、富裕層のみならずより幅広い一般家計に株式投資が浸透しています。最近は国内企業も潤沢なキャッシュフローの株主還元を拡大し始めていますが、国内一般家計の株式保有が浅い現状では、国内株式を保有する海外投資家へ配当が流出したり、国内富裕層に限定的な所得移転効果しか起きません。

しかし、税制上のインセンティブが出来たとしてもそう簡単に株式への資産転移は起こらないでしょう。
それは、集団の意識として結果の平等を重視する日本の国民性によるものであるとか、将来に対する漠然とした不安感から来る頑固な蓄財指向からであるとかそういった要因から来るんじゃないかと思います。
また、資産を運用するという教育を受けていない事も大きな要因だろうと思います。
しかし、逆に将来の不安感がある程度払拭されれば現在の蓄財傾向は緩和され、その文の資産が消費に回るでしょうからその時までに株式保有による資産運用という考え方が国民に認知され受け入れられれば、国民の株式保有率は爆発的に増加すると思います。
そうなれば氏の言うように増税のインパクトを吸収出来るようになると思います。

その3……「第3次ベビーブームの実現へ」

ベビーブーマーに孫たちを。これが私のモットーです。
企業の雇用体系も変わって終身雇用も過去の言葉となった現在、夫婦共働きで家計所得の水準の維持や安定化を図る必要性も増しています。しかし、女性が社会進出して働くということは、子供を保育所やベビーシッターに預けるための預託費用を支払ってのことであり、パート雇用では受け取る所得に対し費用が出超してしまう現実、またフルタイム雇用でもようやく稼ぎが子供の預託費でほぼ全額出ていってしまうというのが一般的な現実です。
すなわち、女性の社会進出や就業の機会が自己実現の場を提供するまでには至ったけれども、子供をもつ家計の経済的豊かさには一向につながらないのです。そのため、将来的な雇用所得環境に不安を抱けば、共働きの経済的必然性が優先し、子供は養育が高いからとつくらない選択をすることになります。また、職場で女性も責任のあるポジションに就くようになると、仕事上重要な時期には育児休暇もとりにくくなり、また産休をとれそうな時とそうでない時などの事前考慮も必要になってまいります。このため、託児所に待機児童があっていつ受け入れてもらえるか分からない、或いは空きのある託児所を探して、その地区に一家ともどもあらかじめ引越しておかなければ出産にこぎつけないような現状では、仕事をしているうちに出産時期を逃してしまうことも多々あるでしょう。
佐藤ゆかりの政策提言

この現状分析は見事かと。
少子化の最大の要因は経済的問題から主婦でいる事の難しさに加え、共働きによる収益増で育児コストが相殺できない事の経済的アンバランスだろうと思います。
それに対し氏の提言は育児コストの低減を公共サービスにより補完するという方向性のようです。

政府は平成16年に少子化社会対策大綱を取りまとめ、日本の人口が転換期を迎える今後5年程度を集中対応期として、国、地方自治体のみならず、職域、地域、家庭、個人など社会を挙げての積極的な取り組みの推進を定めました。この流れに沿い、私は以下の具体策を提唱したいと思います。
◎駅前と大型オフィスビルにおける託児所・保育所設置の義務化
共働きの親がオフィスまで子供と共に出勤し、朝夕保育所への子供の送り迎え時間や送り迎えを第三者に委託する必要性を軽減します。駅前託児所・保育所も、各市町村の人口動態に合わせて設置の義務化を図ります。
◎時間外労働の多い企業における企業内託児所設置の義務化
早朝出勤や残業など時間外勤務の多い一定雇用者数以上の企業には、企業内託児所を設け、保育所の開園前と閉園後の勤務時間帯の社内ベビーシッター制度を設置します。
◎外国籍保育士の資格制度の設置
外国籍保育士の日本語・その他の対応レベル別資格制度を設置し、安心して預けられる保育士のプールを拡充します。2004年に対フィリピンFTA交渉で看護師・介護士の受け入れに日本が合意したばかりですが、この枠を保育士にも早急に広げます。
◎児童手当の拡充
児童手当の支給対象年齢を小学校3年生から小学校6年生終了前までさらに引き上げ、第2子、第3子への支給額の拡充を図ります。
佐藤ゆかりの政策提言

1番目、2番目に関しては若干詰めの甘さがあるかなと思う。
駅前や大型オフィスビルでの託児所は、例えば日本最大 毎日320万人の利用者のある新宿駅の状況を考えるとそのコストの高さが分かるだろうと思う。
もちろん職場が新宿であるから新宿の託児所を利用しなければならない訳では無いが、親の思考からすれば自分の近くに置いておきたいと思う事は想像に難くなく、自然と職場のそば、つまり都市部のオフィス街にある託児所に人気が集中するのだろうと思う。
そうなった時の託児所維持コストとそののぞまれる規模を考えた時にその実現の難しさが分かるのではなかろうか。
職場での託児所に関しては、企業に取ってベビーシッターや専属の保育師のコストが純粋に増分となるだけでなく、「保育所の開園前と閉園後の勤務時間帯の社内ベビーシッター制度」という性格を考えた時社内保育所と普段の保育所間の送り迎えを会社もしくはそこで勤務する親の負担となる訳で、制度化するのは難しいんじゃないかと思う。
外国人保育士資格制度は今すぐにでも実施してもいいんじゃないかと。
これとセットで官営の保育所託児所を(場所を限定する事無く)増やす事ができれば上記2策が使えなくとも一定の少子化対策として有用じゃないかと思う。
児童手当も特に問題無し。


全体的に見て若干の詰めの甘さはありながらも、新人候補者とは思えない具体性のある提案じゃないかと思う。やっぱり只者じゃない。
このまま経済的な視点を持ちながら政治の世界でキャリアを積んだら十年後とかに大臣や総理の目もあると思うのは贔屓目が過ぎるかしら。

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