goriさんのIrregular Expression:「過疎地の郵便局が無くなる」という脅しに騙されるな!を見てちょっと郵政公社のページからデータを抽出してちょっと見てみる。


まずは施設で、日本郵政公社統計データ年報から、都道府県別郵便局数(excel)のシートを引っ張り出してみる。
増減値は無視して現状の数字だけにトリミングし、各都道府県の郵便局分布を出してみた。
12032 B
(クリックで拡大します)
まず驚くべきはその特定郵便局の多さだろう。
全国の普通郵便局1310、簡易郵便局4470に対し特定郵便局はその数なんと18935。
分室を除いた合計24715から構成比を出すと

普通郵便局 5.3%
簡易郵便局 18%
特定郵便局 76.6%

と、予想に反して特定郵便局が桁外れに多い。
更に驚くのは特定郵便局の都市部への集中であろう。
グラフからも北海道、東京、大阪の数の多さは目に付くと思うが、特定郵便局の都道府県別分布数でソートしてみるとその傾向は顕著に現れる。
特定郵便局分布

上位10県
東 京 (7.37)
北海道 (6.07)
大阪 (5.38)
兵庫 (4.17)
愛知 (4.06)
神奈川 (3.68)
福岡 (3.46)
千葉 (3.40)
埼玉 (3.00)
広島 (2.92)
下位10県
滋賀 (1.12)
福井 (1.06)
徳島 (1.02)
富山 (1.01)
山梨 (0.99)
宮崎 (0.98)
香川 (0.92)
沖縄 (0.88)
佐賀 (0.81)
鳥取 (0.76)
※カッコ内は構成比(%)

この中で北海道だけ人口比率で11位でありながら、特定郵便局数では第2位となっていることから多少特殊に見えるかも知れない。
しかし、北海道内各支庁での分布を見れば同様の傾向が見て取れる。

北海道各支庁の特定郵便局軒数トップ5
石狩(札幌市) 24.31
上川(旭川市等) 10.33
渡島(函館市等) 9.08
空知(岩見沢市、夕張市等) 8.9
網走(網走市、紋別市等) 8.55
※数値は北海道内での構成比(%)

特筆すべきは石狩支庁の特定郵便局数273件は全国的に見ても30位前後、山形県や秋田県と同等で、過疎地域と呼ばれる鳥取県と島根県よりもはるかに多いのだ。
なお、北海道の中で石狩支庁は特殊なまでに都市化されており、人口密度は他の支庁の役6倍ほどあるということを補足しておく。


この結果をどう見るべきか。
特定郵便局が郵便局として正しく運用されているとするならば、これら全てを廃止した時に本当に影響を受けるのは民営化反対派議員が言うような農村や寒村部ではなく、むしろ逆に大都市部に強い影響が現れなければならないはずだ。
しかしながら、そのような言説は聞いた事が無い。
もちろん離島部や寒村部で特定郵便局が重視されているような地域も無くは無いだろうが、簡易郵便局の振り替えでも同様のサービスは継続できる。

○中城審議官 何が1,300億なんですか。
○翁主席研究員 過疎地における年間の運営コスト、過疎地の4,500局の年間の運営コストです。
○鍋倉副室長 それは簡易局にすれば安くなるということですか。
○翁主席研究員 無集配特定局が年間の運営コストが2,833万円、簡易局が1,170万円ということが行政監察結果に出ておりまして、それに集配特定局は過疎地においては5人という前提を置いて人件費を3分の5倍して、それではじきました。
○中城審議官 トータルとして1,300億程度が過疎地を今、支えるために必要なコストだと。
郵政民営化に関する有識者会議第8回会合 議事要旨

という試算を借りて計算するならば、仮に大都市部(上記のTop10を流用)の特定郵便局数を95%削減、残りの5%は簡易郵便局に移行。さらに他の地域の特定郵便局数を85%削減し残り15%を簡易郵便局に移行として年間コストを計算してみる。
(計算の単純化のために現在の特定郵便局を全て無集配局とする)
まず現在の18935の特定郵便局の年間運営コストは53,642,855万円つまり5,364.2億円。
これを先のルールで移行すると廃止される特定郵便局は全部で16896、差分の2039ヶ所が簡易郵便局に移行され そのコストが2,835,630万円つまり283.6億円。
よって差額の5,125.7億円の経費がうくことになる訳だ。
もちろん簡易郵便局への移行に関するイニシャルコストは必要だが毎年これだけの経費が必要なくなる事は極めて大きいだろう。


さぁこの金額をどう見ますか。

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